2015.06.26 Friday
▼今日の任天堂株主総会2015年(6/26)
2015年の任天堂株主総会へ行ってきました。本社には9時40分くらいに着きました。624番。雨なので空いてるかと思ったら、多数出席されていて、なんとか隙間を見つけて、前から5列目のDブロック席につきました。いつも通り、地下鉄の駅から社屋までの道のところどころに案内の社員さんが雨の中立っていてくれました。
1階でお土産と入場票を引き換え、7階の会議場へ。今回のお土産は、マリオのフェイスタオル、フェイスシェイプクッキーXY、CSRレポート2015。辻利の緑茶付き。
タオルは去年バスタオルだったので、来年はフェイスタオル2枚セットとかになるんだろうかw
50分ごろ事務の方々着席。55分頃役員入場。今日の宮本さんはダークスーツにえんじ色のネクタイ。あれ去年と一緒かな?カッターが去年と違って、ちょっと赤みがかってた感じはしたけど。いつもと座り順が違って向かって右手だったので、人の隙間から宮本さんが真っ直ぐ良く見えて、気の所為かもだけど目が合う合うw
10時ちょうどに岩田社長の開会あいさつ。ちょっと声が枯れ気味だったのは風邪だったのかしら。最後はほんとに声が出にくい感じになってました。お大事に。
総会開催の宣言。出席者と電磁投票を合わせて10528人96万353票(38577人118万1735票中)。今総会の成立。監査役植田さんより報告書の記載に問題が無いとの読み上げ。
事業報告。p3を読みながら随時主要な言葉やソフトの画像をスクリーンに表示。New3DS・3DSLLが好調ながら従来型3DSが足を引っ張りハードの販売数量が873万台に終わったこと。ソフトは好調でポケモンオメガ・アルファが994万本、スマブラ3DSが675万本の大ヒットを記録。トモダチコレクション・マリカ7・ムジュラ3Dそれぞれ200万本以上を売り上げ。更にサードのヒットが複数生まれたのでソフトの販売数量は6274万本となった。WiiUではマリカ8が511万本・スマブラWiiUが365万本の大ヒット。特に海外で好調。営業黒字となった。
対処すべき課題。「娯楽は他と違うからこそ価値がある」と言う考えのもと、経営中核=ビデオゲーム専用機として、プレミアムなゲーム体験商品を世界に向けて提案する。
マリカ8やスマブラなど大ヒットした定番ソフト向けの追加コンテンツを順次展開して稼働の活性化を目指す。3DSやWiiUでも順次新作ソフトを発売する。amiiboのさらなるラインアップの充実と、対応ソフトの拡充、NFC機能のない3DS・LL・2DSソフトに向けてリーダー/ライターの発売予定。さらなるamiiboの需要拡大を目指す。
DeNAさんとの事業資本の提携で、スマートデバイス向けゲームアプリを年内配信開始する。それぞれのプレイスタイルに合わせた最適なゲームをそれぞれに提供することで間口を広げ、「ゲーム人口の拡大」を推進する。
個々のIP利用に合わせ、柔軟に最適な伝達手段を選択し、当社IPをより多くの目に触れるようにしライセンスから一定の収益を得ると同時に、より多くのお客様に当社ゲームに触れる機会を増やすことを目指す。具体的には、当社IPを使用したテーマパークの展開を米国のUniversal Parks&Resortsさんと合意。ここでしか味わえない独自の魅力的な体験をテーマパークに置いて展開することで当社IPの価値と認知をより一層向上させることを目指す。
娯楽を「人々のQOL〜Quality of Life(生活の質)〜を楽しく向上させるもの」と再定義。ビデオゲーム専用機とは別の領域で娯楽企業としての強みを生かしたユニークなアプローチで取り組む。
報告終了後、拍手。議案の説明。
決議前の質疑応答にはいります。主要なご質問の概要は、サイトに載せますのでご了承下さい。また、多くのご質問に答えるため、1人1問とさせていただきます。(昨年度と同様のセリフです)
【質問1】3DS、WiiUソフト共にパッケージよりダウンロード版の方が高いのはなぜか。
【回答1】(ゲームに詳しくない人のために、と、パッケージソフトとダウンロードソフトについての説明をする)パッケージもダウンロードもどちらも同じ価値がある。会社によっては、中古に売れない、店頭値引きが無いなどの理由でダウンロード版を安い設定にしてるところもある。しかし、当社はソフトウェアの価値を大事にしているのでどちらも同じ価格で売りたい。実際、Eショップでは同じ価格で売っている。
小売店では、パッケージとダウンロードではビジネスリスクが違う。パッケージは買い取りなので仕入れた時に小売りがリスクを背負うが、ダウンロード版はカードがレジを通ったと同時に仕入と売り上げが立つ。いわゆるオンデマンド仕入で、在庫リスクが違う。そのため、パッケージとダウンロードでは流通マージンは変えている。ただ卸売価格に対する販売価格を任天堂が指定することは法律上出来ないので、店ごとに任せることになる。すっきりしない話ではあるが、ご了承願いたい。
現在、クラブニンテンドーに変わるメンバーシップサービスを考えている。お客様単位で任天堂に要望が出せるようになる。すっきりしない今回のようなものを少しでも解消できるのではないかと思っている。秋ごろにははっきりさせたい。
【質問2】御社ではなく、株主も会社の一員として、わが社と呼びたい。以前から何度か言われていたと思うが、単位株が現在100株だが、下げられないのか。もっと小さい単位にして安く魅力のある価格に出来ないか。
【回答2】わが社と呼んでくださったり、以前の話をご存じの様子から何度もご出席いただいてありがとうございます。投資単位を下げると株価が得するのではないかとのご質問ですが、現在は規則上の制約がある。東京証券取引上場している単位株が変更できなくなった。誤発注を防ぐためと言う事で、単元株数を変えられない。
他に、株式分割と言う方法がある。客の拡大、流動性があがり得すると主張する人もいるが、分割するとプレミアム感がなくなるので反対と言う意見もある。賛否両論あるので、慎重に検討の上、結論を出したい。
【質問3】私も同じ株主として、わが社と呼ばせて頂きます。(ありがとうございますと、岩田社長)WiiU、3DSの立ち上げに失敗している。3DSは持ち直したがWiiUはまだ。NXも同じ過ちをしてほしくない、どのようにするつもりか。また、支援手薄なサードパーティーについてもどのように考えているのか聞きたい。
【回答3】WiiU、3DSはご指摘の通り、立ち上げが上手くいかなかった。3DSは何とか立て直せたが、WiiUはまだ。DSや、Wiiと比べて、収益性において悪いように見える。発売してすぐ勢いに乗せるのは理想。100%出来たのは、Wiiの時だけ。
NX(新しいゲーム専用機)を作っていると言う発表は、3月17日DeNAとの事業資本提携発表の際に、任天堂はゲーム機を捨ててスマートデバイスに移行するのか・その方が良いのじゃないかと言う風潮に対する反論だった。NXについてはもうしばらく詳細を伏せたい。お客様に驚いて貰ってナンボなので。2016年になってからNXについては発表する。これは何度も言ってきたこと。WiiU、3DSの立ち上げの反省から、任天堂らしい意識を持ってNXを出したい。そのため、様々な検討をしている。
サードパーティーはハードの売り上げによって動く。E3(E3の説明をする)のタイミングで、海外のソフトメーカーとのコラボの話があったり、日本のソフトメーカーとはいつも密接に話をしている。水面下で進行していると考えてほしい。
【質問4】NOAがマリナーズの筆頭企業となってから10年たった。マリナーズを持つことでプラスになった事、これからプラスになる事とは?ランディ・ジョンソンが殿堂入りする事になって、51番が永久欠番となってしまう。日本人にとって、51番はイチローの番号だ。筆頭企業としてこれをどのように考えているのか。
【回答4】おっしゃる通り、NOAはシアトルマリナーズの筆頭オーナー。以前、山内が個人で出資したものを「個人で持っていてはいつか自分がいなくなる時が来る」と、NOAが継いだ。メジャーのオーナーに日本企業がなったと言う事は、当時話題になったし、特別な縁を貰った事は大切にしたい。永久欠番になる51番の問題は、NOAは100%オーナーではないので、マリナーズの複数のオーナーと協議して決めるべき。個人的には、イチローと何度か会っているし、応援したいと思っているが。この件をはっきりさせないと決議して頂けないということも無いので、これ以上の発言は控える。(会場、笑い)
【質問5】京阪鳥羽街道駅がもともとの本社だったところだが、それを壊しかけているようだが、今後あいた部分をどうするつもりか。鳥羽街道駅が寂れていて、廃線になるかも知れないので。跡地利用を聞かせてほしい。
【回答5】2000年11月、現在の本社に引っ越した。それ以前からの株主様であれば、そちらに総会に行った人もいるだろう。鳥羽街道の社屋の人数は移転した時に減り、また、本社が手狭になってきた時に増えた。開発の人員を沢山採用してきたので、昨年、開発棟を新しく建てた。それにより、相談や刺激を直接顔を合わせて受けられる状態で、集約棟にして良かったと考えている。
現在、鳥羽街道の社屋は、マリオクラブ(デバックや、難易度調整をするチーム)が使用している。無線でやり取りする際のデバック用のシールドルームもある。残った建物は、これでフル稼働している。
今後の跡地利用については、明確に決まっていない。マリオクラブで有効に動いているその人員計画により、使い方が決まるだろう。
【質問6】E3について。ソフトタイトルが少ない。サードパーティーが参加する指標や、ソフトの購入を検討するためにもっと沢山のタイトルがあった方が良かったのでは。年内発売タイトルに絞った理由は?
【回答6】E3の開催時期が1週間ずれたので今回私は、株主総会に集中するため、参加しなかった。行った代表として、当社の宮本から話して貰う。
宮本:こんにちは、雨の中、ありがとうございます。宮本です。E3は、毎年、5月6月、アメリカのトレードーショウとしてやっている。発表ソフトの数が少なかったという指摘は事実だと思います。アメリカのトレードショウですが、全世界に発信されるので、本社も力を入れている。去年は、WiiUの可能性を多くの人に理解して貰えてない様子だったので、それを示したのですが、今年は、ソフトの展示をそれも年内発売の物を中心にした。ライセンシーさんのタイトルも少なかった。
来年早々のタイトルまでしかなかったので、数が少なくガッカリしたというネットでの声は聞いている。
ショーフロアでは手ごたえがあった。と言うのは、他社は、発売未定の物まで出していて、触って遊べないものが多かった。バーチャルリアリティーものが流行ってきているのだが、2〜3年開発にかかるような先の話だった。どれも触れず、映像のみ。
任天堂は、実際触れるものが多くて、茶の間で遊べることをアピール出来た。手ごたえはあった。
岩田:実際、タイトルが少なくて失望した、と言うネットでの声は聞いている。(E3ダイジェストの映像を流しながら)任天堂ブースではみんなニコニコしてくれた。記者発表会をせずに、デジタルイベントをした。その前にスマブラの新発表やゲーム大会をしたが、会場はものすごく盛り上がった。インターネット中継に喜んでもらえなかったことは直さなければいけないが、現地の反応はとてもよかった。
何故、短期のタイトルに絞ったのか。アピールするポイントは時々によって変わる。具体的に決まってないものでも発表しなければならない時は発表するが。テーマは年ごとに違う。ご意見は真摯に受け止めて考える。
【質問7】ゲームファンとして、WiiUとNXのすみわけは?WiiUソフトはこれからも出るのか?
【回答7】NXについては具体的に話せない。話したら、他社が対抗策を講じてしまうし、お客様も驚かなくなる。会社にも株主様にも不利益なので言えない。新ハードが出たからすぐにWiiUや3DSのソフトを作らなくなることは無い。
NXを開発しながらWiiU、3DSのソフトをどう作っていくか。サードパーティーとも話しながら考えている。すぐになくなってしまうことはない。出来る限り満足度をあげるよう努力したい。
【質問8】スマートデバイス向けを年内にとのことだが、販売方式はどうするのか。課金形態はどうするのか?ターゲット年齢は?
【回答8】(スマートデバイスについての説明をする)普及台数が多いので大ヒットした時の収益性が高いので、ゲーム界でも注目されている。
スマートデバイスに有名キャラを出せば売れるという甘いものではなく、売り方は考えなくてはいけない。
課金方式として、売り切りにするか、アイテム課金にするか。free to play(ただで始められる)方式は、ゲームの価値を大切にしたい当社として受け入れられない。こちらではなく、free to start(ただから始める)方式で。
売り切りタイプはあまりうまくいっていない。ソフトの価値は一度下げてしまうと下がってしまう。他のアプリと比べてどう思うか。また、ついつい課金するタイプ(free to play)は社会的にも問題になっている。
任天堂は、年齢・文化圏・国籍・性別・言語にかかわらず遊べるものを目指す。世界では、あまり大きな金額をかけないが少しずつ沢山の人が課金することで成功している。start to playから始めて同様の方式で収益性をあげたい。
世界中から受け入れられるのは難しいが、世界的ヒットを得られるようになりたい。
少数の人から沢山の課金をさせるゲームを作って任天堂らしさが壊れるのではとの不安からの質問と受け取りました。
多作することは考えていない。サービスの側面は最初は少なく、少しずつ増える、開発には終わりが無い。少数の物を時間をかけて育てていきたい。
【質問9】ヒーロー・ヒロインになりたい子供が多い。実際に遊んでいるゲームでそのようになれないか?後、要望なのですが、任天堂のキャラを載せたお菓子は多数出ているが、それ以外にあまり見かけない。たとえば、ユニクロコラボでもして、キャラのイラストの服が出るとか、靴にキャラが付くとかすれば、自分でも買うのだが。
【回答9】Wiiの開発終盤にMiiの機能が入った。福笑いの自由度の高いもの、と考えて貰えばいいのだが、お客様の顔を作る機能を入れた。それをゲームの中に登場させることは既にやっている。と言う事で、プレイヤーがゲーム内に登場出来ないかということについては既にやっている。ただ、たとえばそれがマリオそのものかと言えば違うので、Miiの進歩を考えたい。
ご要望ありがとうございます。ゲームを愛してくれてありがたいし、関連用品を欲しいと望んでくださるのもうれしい。ただ、ライセンス商品は一時的には売れるがすぐに飽きられたり、正しくクオリティーコントロールできるかが難しい。任天堂は、消費されるだけのIPではなく、長期に育て、高めたいと思っている。単にライセンスを多くするのではなく、価値を高めたい。
【質問10】自己株式が発行株数に対して16.4%と高いのはなぜか。使い道は?
【回答10】自己株式が多いのは確か。特に最近そうなっている。使い方は社内でも検討中。ファミコン誕生から32年経った。任天堂もここ2〜3年構造変化を起こしている。それは、スマホ・インターネットの普及と、マーケティングの変化。それらの変化に対応していかなければならない。ビジネス転換期にあるので数年は多めに持たせてほしい。成果を出した後なら償却を含めた手段を考えている。転換期が終わって、自社株を使えるタイミングが決まってから。
大分長い時間になりましたので、質疑、後2名でお願いします。
【質問11】キャラクターのフィギュアグッズ展開をもっと大々的にするつもりはないのか。ポケモンのサトシやカスミ…(数人ずらっとキャラ名を言い続ける)のフィギュアとか。タカラトミーやグッスマと提携してみては?
【回答11】先ほどと被るのですが、任天堂はグッズ展開を積極的にしてこなかった。ワールドワイドで見た時にどうか。国内より、海外視点で考える。グッズ以外にも映像・映画・TVなどに対してライセンシーの高いものを考える。短期大ヒットそれが過ぎれば在庫の山では、キャラクターに傷がつく。長期に見て企業価値の向上にならない。適性に是是非非を考え、本当に長期の価値を考え、積極的に行きたい。
【質問12】スプラトゥーン100万本達成、新規タイトルが受け入れられたこと、お喜び申し上げます。バーチャルコンソールの売り上げ規模はどのくらいか。昔のソフトが買えなくなったり配信が終わったりしているので、バーチャルコンソールで、すべてのソフトが買えるようにしてほしい。
【回答12】まず、スプラトゥーンについて。(映像を流す)先ほど私が説明しましたが(と、ひとしきりスプラトゥーンについて述べる)シリーズ作でないだけに、短期間で100万本も売れるとは思ってなかったのでありがたいと思っている。
バーチャルコンソールを含めたダウンロードソフトの売り上げ313億円。前期より30%増加している。個別は言いだすときりがないので開示しない。Wii作った時に古いゲームで遊びたいねと言うところから、バーチャルコンソールが始まった。元のソフトから作っているけれど、だからと言っていくらでも出来るわけではない。動作テストや、現在の基準で適切な内容なのか調べるなど、手作業の部分が多い。増え方が手ぬるい、少ないと言われるが、過去作ばかりに人員を割くわけにはいかない。新しいプラットフォームが出来て、ほんの少ししかバーチャルコンソールが出来ないという風にならないよう考えたい。自分たちのソフトはほとんど配信できるが、他社の版権の許諾は得られにくいので、要望があってもなかなか配信できないタイトルがあることもご理解ください。
11時42分拍手で議案が承認され、すべての議事終了。
今期は、黒字で配当ありだし、新規事業の方向が出てるので、思った通り荒れることが全く無かったです。ゼルダの質問が無かったのと、アミーボ何度でも再販してくださいの苦情が無かったのが残念w 最後の質問された方は、私の右隣に座ってる人でした。最後にイカ褒めてくれてありがとう。
正確な内容は後日、任天堂公式サイトに上がるのでそちらをご覧ください。
質疑応答の内容が公式に上がるようになったので、かいつまんで載せる方が増えたようですが、うちは例年通り、あえて書き取れた全文載せて見ました。雰囲気ともども伝われば幸いです。
1階でお土産と入場票を引き換え、7階の会議場へ。今回のお土産は、マリオのフェイスタオル、フェイスシェイプクッキーXY、CSRレポート2015。辻利の緑茶付き。
タオルは去年バスタオルだったので、来年はフェイスタオル2枚セットとかになるんだろうかw
50分ごろ事務の方々着席。55分頃役員入場。今日の宮本さんはダークスーツにえんじ色のネクタイ。あれ去年と一緒かな?カッターが去年と違って、ちょっと赤みがかってた感じはしたけど。いつもと座り順が違って向かって右手だったので、人の隙間から宮本さんが真っ直ぐ良く見えて、気の所為かもだけど目が合う合うw
10時ちょうどに岩田社長の開会あいさつ。ちょっと声が枯れ気味だったのは風邪だったのかしら。最後はほんとに声が出にくい感じになってました。お大事に。
総会開催の宣言。出席者と電磁投票を合わせて10528人96万353票(38577人118万1735票中)。今総会の成立。監査役植田さんより報告書の記載に問題が無いとの読み上げ。
事業報告。p3を読みながら随時主要な言葉やソフトの画像をスクリーンに表示。New3DS・3DSLLが好調ながら従来型3DSが足を引っ張りハードの販売数量が873万台に終わったこと。ソフトは好調でポケモンオメガ・アルファが994万本、スマブラ3DSが675万本の大ヒットを記録。トモダチコレクション・マリカ7・ムジュラ3Dそれぞれ200万本以上を売り上げ。更にサードのヒットが複数生まれたのでソフトの販売数量は6274万本となった。WiiUではマリカ8が511万本・スマブラWiiUが365万本の大ヒット。特に海外で好調。営業黒字となった。
対処すべき課題。「娯楽は他と違うからこそ価値がある」と言う考えのもと、経営中核=ビデオゲーム専用機として、プレミアムなゲーム体験商品を世界に向けて提案する。
マリカ8やスマブラなど大ヒットした定番ソフト向けの追加コンテンツを順次展開して稼働の活性化を目指す。3DSやWiiUでも順次新作ソフトを発売する。amiiboのさらなるラインアップの充実と、対応ソフトの拡充、NFC機能のない3DS・LL・2DSソフトに向けてリーダー/ライターの発売予定。さらなるamiiboの需要拡大を目指す。
DeNAさんとの事業資本の提携で、スマートデバイス向けゲームアプリを年内配信開始する。それぞれのプレイスタイルに合わせた最適なゲームをそれぞれに提供することで間口を広げ、「ゲーム人口の拡大」を推進する。
個々のIP利用に合わせ、柔軟に最適な伝達手段を選択し、当社IPをより多くの目に触れるようにしライセンスから一定の収益を得ると同時に、より多くのお客様に当社ゲームに触れる機会を増やすことを目指す。具体的には、当社IPを使用したテーマパークの展開を米国のUniversal Parks&Resortsさんと合意。ここでしか味わえない独自の魅力的な体験をテーマパークに置いて展開することで当社IPの価値と認知をより一層向上させることを目指す。
娯楽を「人々のQOL〜Quality of Life(生活の質)〜を楽しく向上させるもの」と再定義。ビデオゲーム専用機とは別の領域で娯楽企業としての強みを生かしたユニークなアプローチで取り組む。
報告終了後、拍手。議案の説明。
決議前の質疑応答にはいります。主要なご質問の概要は、サイトに載せますのでご了承下さい。また、多くのご質問に答えるため、1人1問とさせていただきます。(昨年度と同様のセリフです)
【質問1】3DS、WiiUソフト共にパッケージよりダウンロード版の方が高いのはなぜか。
【回答1】(ゲームに詳しくない人のために、と、パッケージソフトとダウンロードソフトについての説明をする)パッケージもダウンロードもどちらも同じ価値がある。会社によっては、中古に売れない、店頭値引きが無いなどの理由でダウンロード版を安い設定にしてるところもある。しかし、当社はソフトウェアの価値を大事にしているのでどちらも同じ価格で売りたい。実際、Eショップでは同じ価格で売っている。
小売店では、パッケージとダウンロードではビジネスリスクが違う。パッケージは買い取りなので仕入れた時に小売りがリスクを背負うが、ダウンロード版はカードがレジを通ったと同時に仕入と売り上げが立つ。いわゆるオンデマンド仕入で、在庫リスクが違う。そのため、パッケージとダウンロードでは流通マージンは変えている。ただ卸売価格に対する販売価格を任天堂が指定することは法律上出来ないので、店ごとに任せることになる。すっきりしない話ではあるが、ご了承願いたい。
現在、クラブニンテンドーに変わるメンバーシップサービスを考えている。お客様単位で任天堂に要望が出せるようになる。すっきりしない今回のようなものを少しでも解消できるのではないかと思っている。秋ごろにははっきりさせたい。
【質問2】御社ではなく、株主も会社の一員として、わが社と呼びたい。以前から何度か言われていたと思うが、単位株が現在100株だが、下げられないのか。もっと小さい単位にして安く魅力のある価格に出来ないか。
【回答2】わが社と呼んでくださったり、以前の話をご存じの様子から何度もご出席いただいてありがとうございます。投資単位を下げると株価が得するのではないかとのご質問ですが、現在は規則上の制約がある。東京証券取引上場している単位株が変更できなくなった。誤発注を防ぐためと言う事で、単元株数を変えられない。
他に、株式分割と言う方法がある。客の拡大、流動性があがり得すると主張する人もいるが、分割するとプレミアム感がなくなるので反対と言う意見もある。賛否両論あるので、慎重に検討の上、結論を出したい。
【質問3】私も同じ株主として、わが社と呼ばせて頂きます。(ありがとうございますと、岩田社長)WiiU、3DSの立ち上げに失敗している。3DSは持ち直したがWiiUはまだ。NXも同じ過ちをしてほしくない、どのようにするつもりか。また、支援手薄なサードパーティーについてもどのように考えているのか聞きたい。
【回答3】WiiU、3DSはご指摘の通り、立ち上げが上手くいかなかった。3DSは何とか立て直せたが、WiiUはまだ。DSや、Wiiと比べて、収益性において悪いように見える。発売してすぐ勢いに乗せるのは理想。100%出来たのは、Wiiの時だけ。
NX(新しいゲーム専用機)を作っていると言う発表は、3月17日DeNAとの事業資本提携発表の際に、任天堂はゲーム機を捨ててスマートデバイスに移行するのか・その方が良いのじゃないかと言う風潮に対する反論だった。NXについてはもうしばらく詳細を伏せたい。お客様に驚いて貰ってナンボなので。2016年になってからNXについては発表する。これは何度も言ってきたこと。WiiU、3DSの立ち上げの反省から、任天堂らしい意識を持ってNXを出したい。そのため、様々な検討をしている。
サードパーティーはハードの売り上げによって動く。E3(E3の説明をする)のタイミングで、海外のソフトメーカーとのコラボの話があったり、日本のソフトメーカーとはいつも密接に話をしている。水面下で進行していると考えてほしい。
【質問4】NOAがマリナーズの筆頭企業となってから10年たった。マリナーズを持つことでプラスになった事、これからプラスになる事とは?ランディ・ジョンソンが殿堂入りする事になって、51番が永久欠番となってしまう。日本人にとって、51番はイチローの番号だ。筆頭企業としてこれをどのように考えているのか。
【回答4】おっしゃる通り、NOAはシアトルマリナーズの筆頭オーナー。以前、山内が個人で出資したものを「個人で持っていてはいつか自分がいなくなる時が来る」と、NOAが継いだ。メジャーのオーナーに日本企業がなったと言う事は、当時話題になったし、特別な縁を貰った事は大切にしたい。永久欠番になる51番の問題は、NOAは100%オーナーではないので、マリナーズの複数のオーナーと協議して決めるべき。個人的には、イチローと何度か会っているし、応援したいと思っているが。この件をはっきりさせないと決議して頂けないということも無いので、これ以上の発言は控える。(会場、笑い)
【質問5】京阪鳥羽街道駅がもともとの本社だったところだが、それを壊しかけているようだが、今後あいた部分をどうするつもりか。鳥羽街道駅が寂れていて、廃線になるかも知れないので。跡地利用を聞かせてほしい。
【回答5】2000年11月、現在の本社に引っ越した。それ以前からの株主様であれば、そちらに総会に行った人もいるだろう。鳥羽街道の社屋の人数は移転した時に減り、また、本社が手狭になってきた時に増えた。開発の人員を沢山採用してきたので、昨年、開発棟を新しく建てた。それにより、相談や刺激を直接顔を合わせて受けられる状態で、集約棟にして良かったと考えている。
現在、鳥羽街道の社屋は、マリオクラブ(デバックや、難易度調整をするチーム)が使用している。無線でやり取りする際のデバック用のシールドルームもある。残った建物は、これでフル稼働している。
今後の跡地利用については、明確に決まっていない。マリオクラブで有効に動いているその人員計画により、使い方が決まるだろう。
【質問6】E3について。ソフトタイトルが少ない。サードパーティーが参加する指標や、ソフトの購入を検討するためにもっと沢山のタイトルがあった方が良かったのでは。年内発売タイトルに絞った理由は?
【回答6】E3の開催時期が1週間ずれたので今回私は、株主総会に集中するため、参加しなかった。行った代表として、当社の宮本から話して貰う。
宮本:こんにちは、雨の中、ありがとうございます。宮本です。E3は、毎年、5月6月、アメリカのトレードーショウとしてやっている。発表ソフトの数が少なかったという指摘は事実だと思います。アメリカのトレードショウですが、全世界に発信されるので、本社も力を入れている。去年は、WiiUの可能性を多くの人に理解して貰えてない様子だったので、それを示したのですが、今年は、ソフトの展示をそれも年内発売の物を中心にした。ライセンシーさんのタイトルも少なかった。
来年早々のタイトルまでしかなかったので、数が少なくガッカリしたというネットでの声は聞いている。
ショーフロアでは手ごたえがあった。と言うのは、他社は、発売未定の物まで出していて、触って遊べないものが多かった。バーチャルリアリティーものが流行ってきているのだが、2〜3年開発にかかるような先の話だった。どれも触れず、映像のみ。
任天堂は、実際触れるものが多くて、茶の間で遊べることをアピール出来た。手ごたえはあった。
岩田:実際、タイトルが少なくて失望した、と言うネットでの声は聞いている。(E3ダイジェストの映像を流しながら)任天堂ブースではみんなニコニコしてくれた。記者発表会をせずに、デジタルイベントをした。その前にスマブラの新発表やゲーム大会をしたが、会場はものすごく盛り上がった。インターネット中継に喜んでもらえなかったことは直さなければいけないが、現地の反応はとてもよかった。
何故、短期のタイトルに絞ったのか。アピールするポイントは時々によって変わる。具体的に決まってないものでも発表しなければならない時は発表するが。テーマは年ごとに違う。ご意見は真摯に受け止めて考える。
【質問7】ゲームファンとして、WiiUとNXのすみわけは?WiiUソフトはこれからも出るのか?
【回答7】NXについては具体的に話せない。話したら、他社が対抗策を講じてしまうし、お客様も驚かなくなる。会社にも株主様にも不利益なので言えない。新ハードが出たからすぐにWiiUや3DSのソフトを作らなくなることは無い。
NXを開発しながらWiiU、3DSのソフトをどう作っていくか。サードパーティーとも話しながら考えている。すぐになくなってしまうことはない。出来る限り満足度をあげるよう努力したい。
【質問8】スマートデバイス向けを年内にとのことだが、販売方式はどうするのか。課金形態はどうするのか?ターゲット年齢は?
【回答8】(スマートデバイスについての説明をする)普及台数が多いので大ヒットした時の収益性が高いので、ゲーム界でも注目されている。
スマートデバイスに有名キャラを出せば売れるという甘いものではなく、売り方は考えなくてはいけない。
課金方式として、売り切りにするか、アイテム課金にするか。free to play(ただで始められる)方式は、ゲームの価値を大切にしたい当社として受け入れられない。こちらではなく、free to start(ただから始める)方式で。
売り切りタイプはあまりうまくいっていない。ソフトの価値は一度下げてしまうと下がってしまう。他のアプリと比べてどう思うか。また、ついつい課金するタイプ(free to play)は社会的にも問題になっている。
任天堂は、年齢・文化圏・国籍・性別・言語にかかわらず遊べるものを目指す。世界では、あまり大きな金額をかけないが少しずつ沢山の人が課金することで成功している。start to playから始めて同様の方式で収益性をあげたい。
世界中から受け入れられるのは難しいが、世界的ヒットを得られるようになりたい。
少数の人から沢山の課金をさせるゲームを作って任天堂らしさが壊れるのではとの不安からの質問と受け取りました。
多作することは考えていない。サービスの側面は最初は少なく、少しずつ増える、開発には終わりが無い。少数の物を時間をかけて育てていきたい。
【質問9】ヒーロー・ヒロインになりたい子供が多い。実際に遊んでいるゲームでそのようになれないか?後、要望なのですが、任天堂のキャラを載せたお菓子は多数出ているが、それ以外にあまり見かけない。たとえば、ユニクロコラボでもして、キャラのイラストの服が出るとか、靴にキャラが付くとかすれば、自分でも買うのだが。
【回答9】Wiiの開発終盤にMiiの機能が入った。福笑いの自由度の高いもの、と考えて貰えばいいのだが、お客様の顔を作る機能を入れた。それをゲームの中に登場させることは既にやっている。と言う事で、プレイヤーがゲーム内に登場出来ないかということについては既にやっている。ただ、たとえばそれがマリオそのものかと言えば違うので、Miiの進歩を考えたい。
ご要望ありがとうございます。ゲームを愛してくれてありがたいし、関連用品を欲しいと望んでくださるのもうれしい。ただ、ライセンス商品は一時的には売れるがすぐに飽きられたり、正しくクオリティーコントロールできるかが難しい。任天堂は、消費されるだけのIPではなく、長期に育て、高めたいと思っている。単にライセンスを多くするのではなく、価値を高めたい。
【質問10】自己株式が発行株数に対して16.4%と高いのはなぜか。使い道は?
【回答10】自己株式が多いのは確か。特に最近そうなっている。使い方は社内でも検討中。ファミコン誕生から32年経った。任天堂もここ2〜3年構造変化を起こしている。それは、スマホ・インターネットの普及と、マーケティングの変化。それらの変化に対応していかなければならない。ビジネス転換期にあるので数年は多めに持たせてほしい。成果を出した後なら償却を含めた手段を考えている。転換期が終わって、自社株を使えるタイミングが決まってから。
大分長い時間になりましたので、質疑、後2名でお願いします。
【質問11】キャラクターのフィギュアグッズ展開をもっと大々的にするつもりはないのか。ポケモンのサトシやカスミ…(数人ずらっとキャラ名を言い続ける)のフィギュアとか。タカラトミーやグッスマと提携してみては?
【回答11】先ほどと被るのですが、任天堂はグッズ展開を積極的にしてこなかった。ワールドワイドで見た時にどうか。国内より、海外視点で考える。グッズ以外にも映像・映画・TVなどに対してライセンシーの高いものを考える。短期大ヒットそれが過ぎれば在庫の山では、キャラクターに傷がつく。長期に見て企業価値の向上にならない。適性に是是非非を考え、本当に長期の価値を考え、積極的に行きたい。
【質問12】スプラトゥーン100万本達成、新規タイトルが受け入れられたこと、お喜び申し上げます。バーチャルコンソールの売り上げ規模はどのくらいか。昔のソフトが買えなくなったり配信が終わったりしているので、バーチャルコンソールで、すべてのソフトが買えるようにしてほしい。
【回答12】まず、スプラトゥーンについて。(映像を流す)先ほど私が説明しましたが(と、ひとしきりスプラトゥーンについて述べる)シリーズ作でないだけに、短期間で100万本も売れるとは思ってなかったのでありがたいと思っている。
バーチャルコンソールを含めたダウンロードソフトの売り上げ313億円。前期より30%増加している。個別は言いだすときりがないので開示しない。Wii作った時に古いゲームで遊びたいねと言うところから、バーチャルコンソールが始まった。元のソフトから作っているけれど、だからと言っていくらでも出来るわけではない。動作テストや、現在の基準で適切な内容なのか調べるなど、手作業の部分が多い。増え方が手ぬるい、少ないと言われるが、過去作ばかりに人員を割くわけにはいかない。新しいプラットフォームが出来て、ほんの少ししかバーチャルコンソールが出来ないという風にならないよう考えたい。自分たちのソフトはほとんど配信できるが、他社の版権の許諾は得られにくいので、要望があってもなかなか配信できないタイトルがあることもご理解ください。
11時42分拍手で議案が承認され、すべての議事終了。
今期は、黒字で配当ありだし、新規事業の方向が出てるので、思った通り荒れることが全く無かったです。ゼルダの質問が無かったのと、アミーボ何度でも再販してくださいの苦情が無かったのが残念w 最後の質問された方は、私の右隣に座ってる人でした。最後にイカ褒めてくれてありがとう。
正確な内容は後日、任天堂公式サイトに上がるのでそちらをご覧ください。
質疑応答の内容が公式に上がるようになったので、かいつまんで載せる方が増えたようですが、うちは例年通り、あえて書き取れた全文載せて見ました。雰囲気ともども伝われば幸いです。